在外研究記May 2010

在外研究(アメリカ合衆国)

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5/4(火)

ここのところ,寒い日が続いている.一時期,長袖だけでジャンバーは不要だったのだが,最近,特に朝はジャンパーが不可欠だ.(でも,半袖の人も多い)

午前中に,LibraryでParry氏のPh.D Dissertationを探しざっと読む.残念ながら,僕の知りたかったことは書かれていなかった.でも,これがFree-Form DeformationのPh.D Dissertationかと思うとちょっと感動.

午後は,Sederberg先生と軽く話した後に,math departmentの先生にある問題について解があるのかを聞きに行く(Sederberg先生はミーティングのため途中で立ち去られる).そうしたら,さすが数学の先生,問題には常に解が存在するということを教えて頂いた.You mean diffeomorphism?と聞かれて,えーとdiffeomorphismってなんだったけな,differentiableなhomeomorphismのことかなと想像し,とりあえずyesと答える(正確には,多様体間の微分可能な写像で,その逆写像も微分可能なもののよう).実はSederberg先生が最近おっしゃられていたことの意味が,僕は,今日,やっと理解できた.でも,この先がまた難しそうだ.

夕食後に,OpenGLのオレンジ本のkindle版を購入する.C for graphicsを使ったことがあるので,比較的スムーズに読めたので,一気に2章まで読む.マーカーもつけられて(マーカーは他のPCのkindleとも自動的に同期される),Kindle版も意外と使えるかなといった思う.今やっている問題に,もしかしたらちょっと使えるかもしれないと思い,ある程度読んでみる予定.

将来,本棚って言葉が死語になるのかもしれないと思い,ちょっと不安になる.電子書籍は,販売会社が安定している限りはよいけれども,もし販売会社が不安定になったときにどうなるのだろうということころちょっと心配だ.でも,コンピュータの中に本棚を持てるということは,移動をする人にとっては,いつも読みたい本を持ち歩けるというのは非常に便利なことだ.

5/5(水)

今日も,別のmath departmentの先生と話をする.数学では,一般に解があるかどうかを重視する傾向がある気がするのだけれど,コンピュータではどうやって解を見つけるか(すなわちアルゴリズム)が大切になる.考えている問題に常に解があるということは教えて頂いたのだけれども,どうやって解を見つけていくのかは自分で考えていかないといけいないようだ.ただ,いくつかのヒントは頂いた.以前,日本でも,あることが生成できるという定理があるけれども,実際に生成した例はありますかと数学者の方にお聞きしたら,ご存じなかったことがあったのを思い出す.

5/6(木)

夜に,日本の学生と勉強会.

5/7(金)

とりあえず,今考えている問題に解が存在するということの証明がほぼできる(まだ詳細は検討の余地あり).しかし,より大事なのは,どうやって解を作り出すかというアルゴリズム.なんとか,アルゴリズムを見出したい.

夜,突然思い立って,気分転換に映画を見に行く.夜の10時から開始で,終わったのは12時過ぎ.見たのは,「Letters to God」という映画.不治の病の8歳の少年が神様宛に手紙を書き,手紙を受け取った郵便局員やいじめっ子のAlexなどなどのまわりの人々の心を変えていくという実話に基づく話.映画の受け取り方は人によっていろいろあると思うのだけれども,僕には,生じた困難さは大きければ大きいほどまわりの人々を感動させることができ,そして多くの人々に強く生きる勇気を与えてくれるものだと感じた.久しぶりに見たとてもいい映画だった.ちなみに,値段は$2と激安.

5/11 (火)

昨晩,シャツのボタンが取れたため,何年ぶりだか分からないが,裁縫をする.目が悪くなっていて針に糸が通らないし,おまけに針を2本とも落として無くして,一人で大騒動に.でも,なんとか無事に針をみつけ,ボタン二つを付ける.一人暮らしの,予想外の大変なところ.

朝,2月の骨折の再診で,orthopedist に行く.X 線を撮影の際に,技師の方が,知り合いの武道家の名前がyoshiyukiで,あなたの名前はyoshidaで似ているけど,親戚かと,まぁ,どうでもいい話をする.でも,こういった,なんでもない会話を初めて会った人とするのが,こちらの人達のとてもいいところだと思う.とりあえず,yoshiyukiはfirst nameでyoshidaはlast nameだし,関係はないですよと答える.

お医者さんと面談し,無事,よくなっているそう.痛みがどうしても引かない場合には,手術して骨を切り取るしかないのだそうだけれども,その必要はないだろうとのこと.最後に,お医者さんが日本語で「ありがと」と言ったので,「どういたしまして, which means you’re welcome.」と答えて握手をして分かれる(本来ならば,僕がありがとうと言うところであるが).すぐに終わったので,10 時前には大学のオフィスに到着.

その後,devotionalを聴きにいく.講演者の家族やmissionaryでの体験の話をしていたようなのだけれども,詳細は英語が難しくてよく分からなかった.こういう講演を聞くと,もっとも英語を勉強しておけばよかったと思う.もう少し年をとって,余裕ができたら,また勉強したい.

夜に,日本の学生と打合せ.

5/13(木)

夜に,日本の学生と勉強会.

5/14(金)

optimizationを専門とする先生から,いろいろ教わる.我々の問題には,我々の考えていた手法がどうもよさそうとのこと.また,今は使わないかもしれないが,今後頭の隅に置いておきたい手法なども教えて頂いた.

今やっていることで結構手一杯なのだけれど,どんどんいろんなことがでてきて,本当に大変だ.在外研究って,こんなに大変なものなんだろうか.sabbaticalはperiod of restという意味があるけれども,period of hard workに変えて欲しい気がする(笑).

Sederberg先生のところに以前いらした先生が,かなり大変だったとおっしゃっていたことを思い出す.今だから言える.本当に大変だ.しかしながら,このように大変な状況にして頂いている,Sederberg先生に心から感謝している.

週末は,他のことをしてリラックスするようにしているのだけど,結構,研究のことが頭を離れない.

5/18(火)

今朝は雨がひどく,今年に入って初めて傘を使ってBYUの駐車場からオフィスまで行く.

今日は,Sederberg先生のDistinguished Faculty Lecturerの講演.会場に,少し早めに着いて座っていると,隣に男性の方が座られたので,いろいろ話していたら,リタイアされている元学部長先生だった.こちらの方は,本当に気さくだ.Sederberg先生は,国際的に有名なだけでなく,学内からも本当に尊敬されていることが改めて分かる.講演が終わってからも,その方を訪ねて現学部長が近くに話しかけてきて,ちょっと緊張する.

Sederberg先生の講演は,本当にすばらしかった.わずか45分程度の講演の中で,拍手喝さいで聴衆を笑わせるとともに,奥様との昔の思い出話(でも,これもCGと関連している)や,心を打つ内容が含まれていた.講演中に,「これ分かりますか?」と線形補間の問題を,BYUの学長先生に質問されていた時に聴衆は大爆笑拍手喝さいだった.学長先生は,正解を答えられていた.講演の後半では,困難な問題に向かわれている時のご経験を話され,心を打つ内容だった.

5/21(金)

申請していた延長が認められ,International Officieに行き新しいDS-2019 formをもらいに行く.帰国は,8/27の予定.あと約3カ月,時間がない.

お昼に忘れ物を取りに,自宅に行こうとしたところ,BYUの駐車場で中年の女性に呼び止められる.Gymまで乗せて行ってほしいとのこと.ちょうど,アパートに行く途中の場所だったので,乗せていく.こういう体験は初めて.Spanish系の方で,バレエをされているそうだ.ここに住んでいると,人に親切にしようという気持ちになる.(もし都会だったら,ちょっとためらったかもしれない)

5/24(月)

5月末だというのに,雪が降る.週末は寒かったので,暖房を入れるほど寒かった.こちらでも,5月末に雪が降るのはそれほど多くないそうだが,6月になってから降ったこともあるそう.

5/26(水)

今日は,少しプログラムが進展.先週後半まで2週間くらい,あることに取り組んでいたのだけれども,なかなかうまくいっていなかった.それが,実は,もっと単純な方法で解決できそう.この方向でうまくいってくることを願うのではなくって,うまくいかせられるように頑張るのみ.

5/27(木)

夜に日本の学生と打合せ.

5/28(金)

日本の発売日にあわせたというのではなく,少し研究がいい方向に傾きつつあることもあって,昨日iPadを買う.外国にいながらも,日本の一部の新聞や週刊誌が読める(一部有料だが)のはありがたい.初めて触ったときの印象は大きなiPod Touchという感じだったけれども,実際使ってみるとちょっと違うように感じている.

僕の購入の目的は,英語の勉強もかねて映画を繰り返しみるのに便利だと思ったことと,kindleなどの電子書籍をコンピュータの横において利用したかったことが大きい.でも,それ以上の潜在能力を持っているように感じる.PDFのデータを中にいれこめるようなので,これからは研究論文やPDF化されている書籍は,iPadに保存するようになるかもしれない.重さは予想したよりも重いように感じるけれども,一般のコンピュータよりは軽く,動作が軽快なのは非常に使いやすい.今度の国際会議はiPadでやってしまおうかなともちょっと考え中.

今朝は,そんなわけで,朝の5時までiPadにはまってしまった.朝なんとか8時半におきて,スタバ経由で目を覚ましてからオフィスへ向かった.スタバで,プログラミングをしていたら横の人に,「コンプロマイズのスペルって,コム・プロミスだったっけ?」といきなり聞かれる.「自分で書いてみないと分からないんですけど,えーと,そうですね,合っていますよ」と答える.「僕,日本人なんだから,日本人に聞いちゃだめですよ.」と言ったらげらげら笑っていた.

promise(約束)とcompromise(妥協)って,一見違う用語のようだけれども,comというのはtogetherとかwithのような意味があるので,「複数へのpromise」->妥協と捉えることができると思った(推測ですが).なるほどー.何気ない一言から,学べることは本当に多い.

最近,選挙の看板を道でよく見かけるようになった.日本と違って,看板には名前のみで,顔写真がないのが気になるので聞いてみたところ,たぶん習慣ではないかとのこと.

June 2010

在外研究記May 2010」への2件のフィードバック

  1. Makoto IMAZU

    吉田さん
    お久しぶりです。今津です。
    少し時間ができたので、TUATを見て回っていたら、吉田さんのブログを見つけました。
    TUATは佐波もいなくなって、誰も分からなくなってしまいました:-)
    海外中とは驚きました。しかも骨折まで。
    私も去年、海外赴任の話があり、見事に骨折したので、これまた驚いてコメントしてみました。
    いろいろがんばられているようで、ご健勝お祈りしております。

  2. yoshida 投稿作成者

    今津さん,お久しぶりですね.6~7年ぶりでしょうか.
    コメント頂きありがとうございます.
    成果がでるか十分に見えない中で,(期限付きで)研究をするというのは,結構しんどいです.
    でも,だからこそ価値の高い研究ができる可能性があるのだとも思っています.
    残された期間,一生懸命頑張ります.今津さんも,頑張ってください.

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